シンフォニア・コンチェルタンテ(W.A.モーツァルト)第3楽章【アンサンブル・フリー第28回演奏会 昼の部より】

アンサンブル・フリー第28回 昼公演より
2018年11月24日(土)@いずみホール

シンフォニア・コンチェルタンテ(W.A.モーツァルト)
指揮:浅野亮介
ヴァイオリン独奏:城所素雅
ヴィオラ独奏:杉浦文

【当時のプログラムノーツ(抜粋)】
1777年から1778年にかけて、モーツァルトは職を探してパリを中心に旅行した。結局職は見つからなかった上、旅行中に母が亡くなるというひどい旅行になった。そんな中、故郷ザルツブルグに戻った翌年1779年に作曲されたのが、この曲である。
協奏交響曲とは当時パリを中心に流行していた形式で、今となっては珍しい、複数の独奏楽器が用いられる協奏曲である。単一の独奏楽器による協奏曲では独奏楽器がオーケストラと渡り合うのに対し、協奏交響曲では、それらが協調的な響きを作ると言われている。この曲もその例に漏れず、モーツァルト自身が演奏できたヴァイオリン、ヴィオラそれぞれの独奏、そしてオーケストラの三者が常に対等に掛け合い、対話しながら進む構造となっている。
この曲の特徴の1つに、独奏ヴィオラに対する変則調弦(全ての弦を半音高く調弦し、半音低い調で演奏する)の指示がある。ヴィオラは合奏で中音域を担当し、その渋く暖かい音色が魅力である反面、独奏楽器には向かないとされてきたが、この指示により力強く華やかな音色となり、独奏ヴァイオリンに引けを取らない音色を出すことができた。現代では楽器の性能が上がったこともあり、今回は通常の調弦のまま演奏される。
また、今回は独奏楽器を引きたたせるため一部割愛するが、各楽章において、独奏楽器はその冒頭と結びをオーケストラと同じ音で演奏するよう記譜されている。これは指揮者という存在が確立されていなかったこの時代に、独奏楽器がオーケストラを主導する上で大いに役立ったと考えられる。第1楽章と第2楽章の終盤、彼らによってモーツァルト自身の手で書かれたカデンツァ(独奏楽器のみによる即興的技巧)が披露される。

第3楽章:Presto
変ホ長調4/2拍子のロンド形式、軽やかなフィナーレ。楽しく、遊び心が感じられる楽章

【奏者プロフィール(2022年5月22日時点)】
◆ヴァイオリン独奏 城所素雅
大阪国際音楽コンクール、横浜国際音楽コンクール、日本クラシック音楽コンクール、かながわ音楽コンクール、鎌倉学生音楽コンクール等1位または最高位、全日本学生音楽コンクール東京大会2位他、数多くのコンクールに入賞。桐朋学園高校・大学の成績優秀者のためのコンサート全種類に出演。Joy of Chamber Musicシリーズにて堤剛氏、田崎悦子氏と共演。仙台フィルハーモニー管弦楽団等で客演コンサートマスター、千葉交響楽団第2ヴァイオリンの客演首席を行う。東京春祭チェンバー・オーケストラに出演。ENSEMBLE FREEと共演。加藤知子氏、堀正文氏に師事。桐朋学園大学修士課程第1期卒業生。東京春祭チェンバー・オーケストラに出演。
「クラシックをカジュアルに。」登録者数6万人を超えるYouTubeを媒体とした
デジタルプレイヤー集団「コロンスタジオ」を立ち上げる。
https://www.youtube.com/channel/UCINbglb7zvqatizPDqBQfUA/

◆ヴィオラ独奏 杉浦文
東京藝術大学音楽学部ヴィオラ専攻卒業。佐渡裕氏率いる兵庫芸術文化センター管弦楽団コアメンバーを経て、2020年アントワープ王立音楽院ポストグラデュエイト課程を修了。
第36回コンセール・ヴィヴァン新人オーディション優秀賞。これまでに上山音楽祭、堀米ゆず子アカデミー、アフィニス夏の音楽祭2019など、各地の音楽祭やセミナーに参加。ダンテ弦楽四重奏団、ヘンシェル弦楽四重奏団、ブルーノ・パスキエ氏、ユルゲン・ヴェーバー氏(バイエルン放送響首席)、村上淳一郎氏等のレッスンを受講。またラ・フォル・ジュルネなど、室内楽でも様々な演奏会に出演。
また、学生時からは全国各地のプロオーケストラの客演も務め、クラシックだけでなく、ゲーム音楽やバンド等のレコーディングにも参加するなど、ジャンル問わず演奏活動を行う。
ヴィオラを市坪俊彦、成田寛、百武由紀、レオ・デ・ネーヴェの各氏に師事。室内楽を、松原勝也、玉井菜採、中木健二、青柳晋、高木綾子の各氏に師事。

【Ensemble Free JAPAN 始動します!】
日本の優れた現代音楽を、高い演奏技術で世界に発信するオーケストラとして、「Ensemble Free JAPAN(アンサンブル・フリー・ジャパン)」をこの度立ち上げました。
JAPANの演奏者は、若手プロ奏者及び音楽を専門とする学生で構成しています。
既存のアマチュアオーケストラ「アンサンブル・フリーWEST/EAST」も一体となって、日本の“アタラシイ音“を世界に届け、未来に残すために、今後様々な音楽活動を展開していきます。
オーケストラ始動に伴い、ティザーサイトもオープンしました。
https://ensemblefree-japan.com/

2022年6月20日、8月10日にコンサートを行います。
城所さんはコンサートマスター、杉浦さんは首席奏者として参加します。
ぜひティザーサイトでチェックしてみてください。
チケットはティザーサイトより、電子チケット「teket」の購入ページにアクセスできます。

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